Prisoner / Herbie Hancock

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Prisoner / Herbie Hancock

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参加アーティスト
Herbie Hancock, piano & electric piano
Johnny Coles, fluegelhorn
Joe Henderson, tenor saxophone & alto flute
Garnett Brown, trombone
Buster Williams, bass
Albert Heath, drums
Hubert Laws, flute
Jerome Richardson, bass clarinet & flute
Romeo Penque, bass clarinet
Tony Studd, bass trombone
Jack Jeffers, bass trombone
トラック
I Have a Dream
Prisoner
Firewater
He Who Lives in Fear
Promise of the Sun

ザ・プリズナー / ハービー・ハンコック
1968年、ノーベル平和賞受賞者であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺されてから1年、ハービー・ハンコックはアメリカ合衆国で平等な権利を得られない黒人社会を憂う作品を打ち出す。前作のSpeak Like a Childで3本の管楽器を従え、更に大きなグループ向けの作曲をしたいと希望したものがとても深い内容で実現した。

黒人社会といえば、ジョン・コルトレーンのサウンドが「怒り」としてマルコムXのように例えられ、また黒人の英雄として称えられたこともあったが、ハービー・ハンコックのそれは決して攻撃的なものではない(ちなみにコルトレーン自身も「人種問題を背景とした演奏はしていない、怒りに聴こえるならそれは満足な演奏が出来ない自分に対する怒りだ」と否定している)。実際に音楽を聴いていただくとわかるが、キング牧師のように非暴力主義的なサウンドであり、客観的にさえ聴こえる。ぜひご一聴いただきたい。

I Have a Dreamとは1963年のワシントン大行進でキング牧師が残した有名な演説の冒頭文である。「夢がある」と言い放つ英雄の心情を、壮大なスケールのハーモニーでハンコックが奏でる。はっきり言ってたった8名の管楽器でここまで重厚なサウンドを作り出しているのはこのアルバムだけであろうと思われる。広く深い音を楽しんでいただきたい。

そして、夢があるにも関わらず、「The Prisoner」とは法の上に自由を獲得しても、現実社会では平等に扱われない嘆きである。ストラヴィンスキーの春の祭典からヒントを得ているというが、ジョー・ヘンダーソンのサックスソロが強烈にパワフルである。

Firewaterは、バスター・ウィリアムズの作曲をハンコックがアレンジしもの。途中アメリカで超有名なコメディアニメのテーマがワンフレーズだけ聴ける(ような気がしてならない)。お試しあれ。

曲は再びハーモニーを重視した楽曲に戻る。ここでエレクトリックピアノが初登場する。恐怖に生きる男というタイトル、そして最後の太陽の約束とは自由に生きる権利は誰もが有するものであるとのハンコックの願いではないだろうか。

音楽的にも、作品としても非常に深いアルバム。

参考:マーティン・ルーサー・キング・ジュニアについて

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  • 発表:1969年4月
  • レーベル:Blue Note

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