ビル・エヴァンスの駄作?

トリオ64は、ゲイリー・ピーコック(Gary Peacock)とポール・モーシャン(Paul Motian)が参加したピアノトリオアルバムで、その名のとおり1964年に録音されたものです。

いろいろなサイトのユーザーレビューでも評価の高い作品で、国内外を問わず好意的な意見が寄せられています。実際、収録された内容は優しさあふれるミディアムテンポスウィングやバラードが中心で、ビバップやハードバップの流れをうけた激しい曲はありません。

可愛らしい女の子が主人公のアニメソングの「Little Lulu」に始まり、世界の定番「Santa Claus is Coming to Town(サンタが街にやってきた)」など軽快な曲が続き、中には「For Heavens Sake」のようなバラードもあり、一般的に知られるビル・エヴァンスのピアノの美しさを表に出した作品です。

しかし、この作品が収録されたレコーディング現場は音楽の内容とはほど遠い雰囲気で進行していたようです。プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)は当時のライナーノーツでエヴァンスを絶賛するかのような言葉を寄せていますが、現場では当の本人が相当足を引っ張っていたというようなエピソードがあります。それゆえか、ゲイリー・ピーコックはこの作品以降エヴァンスのトリオには参加していません。ビル・エヴァンスのミュージカル・バイオグラフィーでは、曲調が全体的に似通っていて退屈かのような表現がされていて、作品を非難しています。

こんなタイトルでビル・エヴァンスのファンの皆様を引き付けるのは失礼な行為とは思いつつ、こんなエピソードもあったという一例ですが、実際には前述のようにネット上の評価は上々ですし、つまるところリスナーが楽しんで聴けるのが一番で、評論家などには安易に非難して欲しくないですね。

和やかなムードを演出する、素敵な作品だと思います。

こちらもよろしくお願いします。
【耳コピ譜】Bill Evans – A House is not a Home、ビル・エヴァンス/ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム
第2弾プロジェクトもスタートしています。しかし時間がかかる…!お楽しみに!

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